あれは何だった。 その27

視線の届かない夜闇の水平線に 突然閃光を発し
 夜空に放物線を描く曳光弾 2時方向くらいか
そうか あそこは軍需物資を作る 大手の会社だ。

近海に停泊して日中に偵察機を放って位置情報は
 狂いようがない。 何発か置きに曳光弾を挟んで
着弾点を確認するから戦艦か巡洋艦かは知らないが
 大型艦からの大口径の砲弾は 
あらゆるものを凄まじき破壊力で地形が変わるほどの
 ものだ。

カラスの村は寒村で あちらが艦砲の射撃を受けようが
 ずっと張り出した左方向の大都市の空襲でも夜空を
焦がす延焼の地獄絵も 祭りの花火を見てるような
 置いてけぼりの寂しさだ。 対岸の火事?

艦砲射撃の一夜が明け
普段見たこともない警察官や村の消防団の数人がシートに
 包まれた大きさが人が横たわるほどのものを 見学者から
目をそらすように車両に積んで慌てて消えた。

海から流れ着いた米軍か日本軍の艦砲射撃が招いた なにか
 だろうと村人が噂を残した。 つづく


絵画教室の新人Aさんは昭和16年生まれと言ってたから
 俺の一級下で若い時はハーレーのサイドカーに乗ってた
と自慢そうに話した。 変則な形は左右に
 バランスの取れないし重力が掛かって運転は難しいと。

カミさんは 午前中からコーラスで遅くなると 会計の
 役回りが3年目で指名を受けているらしい。

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