不思議なこと  その26

終戦は昭和20年8月15日だが その直前だったのだろう。
 昼日中は艦上戦闘機のグラマンそれに双胴のP38が
日本の空の制空権を奪って ゲーム感覚で蒸気機関車や
 駅舎 線路も機関銃掃射を受ける。 ほとんど機関砲も
高射砲も無く 南太平洋戦線に引き抜かれて
 国土防衛隊の戦闘機も見かけなかった。 
無抵抗と無力感 それ以上に食うものがない。 
 出来れば機銃掃射で飢餓から救って貰うのも幸せだな。
 
昼間はグラマンが飛来し地上すれすれに
   飛ぶ パイロットの顔が見えるくらいだ。

夜になって父と二人 空襲で汽車も線路も寸断され
 父の仕事も無くなった。
海沿いに山越えをして食料を確保できないかと 夜中に
 戦闘機を避け 昔のがん灯を自作して蠟燭の乏しい灯りで
足元を照らし 真っ暗闇の山道を行く 
 ふと気づくと 足音が うしろから追ってくる。 この先の
街は 小さな軍の飛行場もあるし火力の発電所もある。

不思議なこととは 墨を流したような暗闇の山越えの一本道で
 いつの間にか「足音」が 先に聞こえた。
蠟燭の明かりに顔を見合わせ 
  父と俺が不思議な恐怖感を あれは誰?それとも何?

このイラストはMidori Tonosakiが描く 水彩教室の
 カミさんの一番の友人だ。 俺たち夫婦は彼女を宇宙人と
と呼ぶ その訳は次回に。。。

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