葉唐辛子

これ以上ないような貧困家庭に育った自分は好き嫌いが多いというか
食わず嫌いというか 正直魚も肉も焼き目でもついてないと食えない。

幼児に母を失い その上の あの戦争の食糧難時代 飯を食うのは
生命維持の為で 食べるものも極めて限られていた。

だから多分に食わず嫌いで見かけで喉を通らない食い物は少なくない
そのくせ 貧乏人の典型的な 塩っけ醤油っけ味噌っけなど塩辛い
もので3杯の飯が食える。

小学生時代の話だが
89歳まで長命の祖母が作る味噌豆 葉唐辛子は絶品で 70歳過ぎ
の今にして舌のどこかで記憶してる。

この土地へ来て図書館への道で なんかさえない八百屋でポリバケツ
に入った「葉唐辛子」を1本250円で買ってきた。

クソ暑いマンションの厨房で カミサンが ふ~ふ~言いながら
これを醤油と砂糖で煮詰めてもらい この酷暑での食欲の衰えに
「葉唐辛子」で もう一杯の飯が食えるのである。

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