金木犀

煙るような粉糠雨が降って鬱蒼とした木立の囲まれた山には低すぎる丘に囲まれ
火葬場は超モダンな造りの なにか終末の場所にはそぐわない冷たさを感じた。

二日続けた葬式通いも 東名の横浜インターに近い北部斎場で解散となった。

涙雨とはよく言ったものだ。 この二日止んだり降ったりの灰色の空は見飽きた。

一雨ごとに気温が下がり秋めいて 二階の窓から見下ろした小学校の給食室の
ネットの柵に金木犀の黄色の小さな花が見えた。

雨でもやめば あの花の甘い香りが街のあちこちに漂って どこにあるのか存在
に 散歩をしながら きょろきょろと視線で探す。

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