驟雨

散歩の朝の折り返し点は新幹線の鉄橋の脇になる。 Uの字に土手を下った自転車や
ランナーは下のUの字で再度曲がって その鉄橋を潜り抜ける。

柵を利用した楽をした腕立て伏せは50回と決めている。 ふいに伸ばした手にポツンと
雨が当たって 見る間に舗装された土手は大粒の雨粒の点々で埋め尽くされた。

ウエストポーチから折り畳みの傘を取り出して頭上に広げると傘を雨が叩いた。

白い紗を被った高層の双子のビルは新川崎か 煙って上層部は見え隠れ 驟雨は
南から襲ってきた。

サッカーの少年の群れが雨を避けて鉄橋の下に駆け込む ゴルフの練習場の年寄り
は 蜘蛛の子を散らすようにトタン屋根の仮小屋に逃げ込む。

小さな折り畳み傘では帰ると背中がびっしょりである。

家を出た時は雨の気配もなかったが 昨夜の予報は当たりだ。 せめての救いは
傘の用意を怠らずに正解である。

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