欅並木

暗闇をいつもの通り駅方向へ 散歩の足を向けた。 今日は上下のウインドブレーカー
で完全装備だ。

信号に出た。 右が多摩川線の踏切 左に5分も歩けばガス橋への坂を登る。

横断歩道を渡って そのことに気付いた。 四辻の景色が違う。 いや景色が違うと
言うより なにか間が抜けたというか あるものが無くなっていた。

その太さは1メートル弱 白々しい切り口が無残で薄闇に浮いて見えた。 見慣れた
角の欅の大木が すっぱりと電動のこで切られ切り口を白い皿のように見せていた。

つい最近のこと この横断歩道で老婆がトラックに轢かれた。 そうかあの事がと。。。
トラックは駅方向から走って来て右折をしたに相違ない。 その切られた欅の大木が
横断歩道を渡る老婆の姿を隠したのか そうだ文字通りの死角を作ったのだ。

欅通りは街の景色になり 見慣れた街並みの品格を上げ 住民は口出さぬが自慢で
あったが 植えた時にはあんな大木になるとか 秋には連日枯れ葉の掃除に追われる
とか そんな先のことを考えてはいなかった。

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