両手に花火

エアコンの部屋から抜け出せない。 あまりにも長い酷暑のトンネルに
身も心もヘロヘロになって 年寄りのサバイバルゲームの様相を呈した
この夏の仕打ちに尋常でない危機感を感じている。

晩飯のとき ほんの少しだが気持ち涼しい夕方の空気が部屋を通り抜け
た気がして 少し歩いてみようかとカミさんが珍しく言い出した。

暑い暑いと言いながらも 食欲だけは衰えを知らない。 もっとも食欲
が無くなったら この猛暑には生き残れないが。

多摩川の土手くらいまで散歩に付き合ってと言われ 渋々と玄関を出る。

土手に出ると暗闇に結構な人出で 暑さ逃れの夕涼みに同じ気持ちなのか
と頷いてみたが 歩き始めて前方に花火が上がるのを目撃した。

石段に腰をかけて花火を見てたら 左手からも花火が上がり 左右に花火
が競い合うように夜空に光の花を描きはじめた。

右側が二子多摩川の花火で 左は鶴見川の花火だと話す声が聞こえた。

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