「三千世界のカラスを殺し
主と朝寝がしてみたい」
高杉晋作が作者の端唄とあり。 高輪の伯母は
新内の岡本文弥の たしか名取で岡本都路だと
聴いていた。
今時の地名だと白金高輪かな 大昔は日吉坂上と
都電の駅名だった。
白金小学校へ急な坂を歩いて行くと途中で 三味線の
音が聞こえて お稽古中かと通り越して
明治学院大学をさらに歩いて 二本榎あたりで
時間を潰して また戻って玄関を そっと開けて
長火鉢の前のキセルを咥えた伯母に 両手をついて
丁寧に挨拶をしたもんだ。
粋な芸者あがりの伯母だが 礼儀作法は厳しく
小遣いでもやると言われなければ 行きたくなかった。
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