未帰還の手紙

 
小学校6年まで麦飯弁当だった彼に手紙を書いた。 新聞紙に包んだ弁当に首を突っ込んで
あいつと俺はクラスで一番最後まで 貧乏だったのか その彼に久しぶりに手紙を書いたが
返事もない 奥さんとか子供とかの返信もなしで 名古屋のさる大学の食堂で料理を任され
散々苦労をした模様 俺みたいに いい加減な人生を送って無駄な長生きをした訳じゃない
彼奴が名古屋に行った理由も 大学の食堂を長く苦労して続けた訳も聞かなかったが同窓会
には東京に帰ってきて 俺の家に泊まっていったものだ
名古屋に入る手前の矢作川は家康と信長の国境 彼は胸まで水に漬かって足で大昔の土器を
収集していつの時代だか分からない 基は焼き物を器を並べ 興味のない俺に滔々と語る。
その他にもつい最近まで付き合いのあった奴に近況を書いたが これも返事なし。
超高齢者には明日が来るか来ないかが予測できない。















 

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