一日の春

春は一日の夢のようで また夜からの冷たい雨が
降って 炬燵に入る。

啓蟄をも過ぎて虫たちも戸惑って 穴から出て
いいものやら どうやらと顔を見合せておるだろう。

もういい加減冬の名残よ往生せよ。

梅の花も散って 老いさらばえた黒い枝をさらして
俺たち老人たちとそっくりである。

昨日は鳥たちも囀って春の饗宴とばかり賑やかだったが
しょぼふる雨に 静かに街が寝てるようである。

コメント

人気の投稿